マスク スペイン風邪をめぐる小説集 菊池寛

マスク スペイン風邪をめぐる小説集 菊池寛

100年前の日本人は、疫病とどう戦ったのか? 文庫オリジナル!

スペイン風邪が猛威をふるった100年前。作家の菊池寛は恰幅が良くて丈夫に見えるが、実は人一倍体が弱かった。そこでうがいやマスクで感染予防を徹底。その様子はコロナ禍の現在となんら変わらない。スペイン風邪流行下の実体験をもとに描かれた短編「マスク」ほか8篇、心のひだを丹念に描き出す傑作小説集。解説・辻仁成

【収録作品「マスク」】
見かけは頑健に思われているが、実は心臓も肺も、胃腸も弱い。そんな自分に医者は「流行性感冒にかかったら、助かりっこありません」と言う。だから、徹底的に感染予防に努めた。でも暖かくなったある晴れた日に、黒いマスクの男を見かけて――。

マスク
神の如く弱し
簡単な死去
船医の立場
身投げ救助隊
島原心中
忠直卿行状記
仇討禁止令
私の日常道徳

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